【基礎】雲のでき方と雨が降る仕組みを解説!

雨は雲から降ってきますが、雲とは一体なんなのでしょうか。

なぜ、雲から雨が降ってくるのでしょうか。

生活に密接している身近な現象でも、詳しいメカニズムは分からないという人も多いのではないでしょうか。

てるらん

雲と雨ってどういう風にできるんだろう?

雲のでき方と雨が降る仕組みを正しく理解すれば、天気予報をより深く理解できるようになります。

そこで今回は

  • 雲の正体とでき方
  • 雨が降る仕組み

について解説します。

目次

雲の正体

雲の正体

雲の正体は「水滴や氷の粒の集まり」です。

空気中には目には見えない気体の水蒸気が含まれています。

何らかの要因で空気中の水蒸気(気体)が冷やされて、水滴(液体)や氷の粒(固体)となることで雲ができます

てるるん

沸騰するヤカンから出る蒸気は白く見えるよね!
これは、水蒸気がヤカンの外に出ることで冷やされて、水滴に変化したから白く見えるんだよ!

てるらん

雲もヤカンの蒸気も正体は同じなんだね!

では、なぜ空気が冷やされると水蒸気(気体)が水滴(液体)となるのでしょうか。

実は、空気は気温によって含むことができる水蒸気の量が決まっています。

これを「飽和水蒸気量」といいます。

飽和水蒸気量は気温が高いほど空気中に含むことができる水蒸気量が多くなります

例えば、20℃の空気1m3が含むことのできる最大の水蒸気量は約17.2gで、
10℃の空気1m3が含むことのできる最大の水蒸気量は約9.3gです。

気温が20℃17.2gの水蒸気を含む空気を10℃にまで下げた時、
約7.9g(= 17.2g – 9.3g)の水蒸気は空気中に留まることができず、水滴となって現れるということです。

とはいえ、実際には水蒸気だけではなかなか水滴は形成されません。

そこで大切な役割を果たすのが空気中に浮かぶ微小な「ちり」です。

これを「凝結核(ぎょうけつかく)」といいます。

凝結核となるのは、土埃海の塩粒煙の粒などです。

これらに水蒸気が結露して水滴ができ、雲が発生します。

てるるん

雲ができるのは、空気が冷やされて飽和水蒸気量を超えた分の水蒸気が空気中の凝結核に結露して水滴になるからなんだよ!

雲ができる仕組み

地上付近にある空気の塊は、上昇するにしたがって気圧が低くなり膨張して冷たくなっていきます。

これにより、空気中の飽和水蒸気量を超えた水蒸気(気体)が水滴(液体)となり、雲ができます。

つまり、雲ができるには、上昇気流によって空気の塊を上空へ持ち上げる必要があるのです。

ここでは雲を作る4つの代表的な上昇気流を紹介します。

前線性上昇気流

冷たい空気(寒気)と暖かい空気(暖気)がぶつかると、暖気の方が軽いので上に乗り上げます。

温暖前線付近では、暖気が寒気の上に乗り上げ、暖気が上昇することで、雲ができます(左図)。

寒冷前線付近では、強い寒気が暖気の下へ潜り込み、暖気を持ち上げることで、雲ができます(右図)。

これを前線性上昇気流といいます。

対流性上昇気流

太陽の光で地表付近の空気が暖められて軽くなると、軽くなった空気が上昇して、雲ができます(左図)。

同様に、暖かく軽い空気冷たく重い空気より下にあるときは、軽い方の暖気が上昇して、雲ができます(右図)。

これを対流性上昇気流といいます。

地形性上昇気流

気流が山などにぶつかって空気が強制的に上昇することで、雲ができます。

これを地形性上昇気流といいます。

低気圧性上昇気流

低気圧や台風の中心の気圧の低いところに風が吹き込み上昇することで、雲ができます。

これを低気圧性上昇気流といいます。

雨が降る仕組み

は「水滴のあつまり」です。

この水滴が大きくなって重くなると、空中に浮かんでいることができなくなり、地上に落ちてきます

これが「」です。

雲の粒半径約0.01mmほどですが、雨の粒半径約0.1〜5mmほどで、10〜500倍ほど違います。

雲粒同士がぶつかりあったり雲粒のまわりに水蒸気が凝結したりする雲粒は大きく成長し、雨粒になります。

雨粒の成長過程には、暖かい雨冷たい雨の2種類があり、仕組みがそれぞれ異なります。

暖かい雨

暖かい雨とは雲の中で氷ができずに降る雨のことです。

主に熱帯で降り、高度が高くても0℃以上であるため、全て水滴でできています。

暖かい雨が降る仕組みは以下の通りです。

  1. 水蒸気を含んだ空気が上昇し、雲粒を形成して雲となります
  2. 雲粒が上昇しながら成長しますが、0℃以下にはならないため、氷の粒にはなりません
  3. 大きくなった雨粒が、雨として地上に降ります

冷たい雨

冷たい雨とは雲の中で氷の粒や雪ができ、それらが溶けて降る雨のことです。

主に中緯度〜高緯度で降り、雲を形成する水滴が-20℃以下になると、氷の粒が形成されます。

冷たい雨が降る仕組みは以下の通りです。

  1. 水蒸気を含んだ空気が上昇し、雲粒を形成して雲となります。
  2. 雲粒がさらに上昇すると、水滴が氷の粒となります。
  3. 氷の粒が周りの水蒸気と結合し、雪の結晶として成長します。大きくなると落下します。
  4. 成長した雪の結晶が溶けずに、そのまま地上に落ちるととなります。
  5. 成長した雪の結晶が溶けると雨として地上に降ります。日本で降る雨は80%が冷たい雨なんだよ!
てるるん

日本で降る雨は80%が冷たい雨なんだよ!

まとめ:雲は上昇気流によってでき、雨は雲の粒が大きくなって降る。

今回の記事では、以下の4点について解説しました。

  • 雲は「水滴や氷の粒の集まり」
  • 雲を作る上昇気流は大きく4つ(前線性上昇気流、対流性上昇気流、地形性上昇気流、低気圧性上昇気流)
  • 雨粒の成長過程は大きく2つ(暖かい雨、冷たい雨)
  • 日本で降る雨は80%が冷たい雨

雲のでき方や雨が降る仕組みを理解すれば、天気をより深く理解できるようになります。

これからも楽しく天気を学んでいきましょう!
ではでは〜!

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