みなさんは、高気圧と低気圧について正しく説明できますか?
高気圧と低気圧って聞いたことあるけど、よく分かんないんだよね〜
高気圧と低気圧について、なんとなく分かっているけど、正しく説明できないという人も多いのではないでしょうか。
高気圧と低気圧の仕組みを正しく理解すれば、天気図からおおよその天気を読み取れるようになります。
そこで今回は以下について解説します。
- 気圧とは
- 高気圧・低気圧の仕組み
- 日本周辺の高気圧と低気圧
気圧とは
まずは気圧について説明します。
気圧とは「空気の重さ」です。
地球上にあるものはすべて、空気の重さの分だけ上から押し付けられています。
この力を「気圧」と言います。
気圧の単位はhPa(読み:ヘクトパスカル)で表します。
h(ヘクト)は100倍のことです。
重さを表す kg(キログラム)の k(キロ)= 1000倍 みたいなものだよ!
Pa(パスカル)は圧力の単位です。
1Paは「1m2の床の上に約100g(=1N(ニュートン))の物を置いた時の圧力」と定義されています。
と、言われてもピンと来ませんよね(笑)
簡単に言うと、気圧は空気の重さですので、頭上の空気が多いほど、空気は重くなり、気圧は高くなります。
逆に、頭上の空気が少ないほど、空気は軽くなり、気圧は低くなります。
例えば、地表付近の気圧は約1000hPa、富士山山頂では約630hPaです。
富士山山頂は地表よりも頭上の空気が少ないので、空気が軽く、気圧が低いのです。
ぼくたちが空気に押し潰されないのは、体の中からも外側に押す力がはたらいているからだよ!
高気圧・低気圧の仕組み
周りより気圧が高いところを高気圧といい、周りより気圧が低いところを低気圧といいます。
天気図で「高」と書かれたところが高気圧、「低」と書かれたところが低気圧です。
「1014」や「988」という数字は高気圧や低気圧の中心気圧です。
上図の例だと、日本付近の高気圧の中心気圧は1014hPaで、
低気圧の中心気圧は988hPaです。
そのまわりの黒い実線や点線は等圧線といい、気圧が同じところを結んだ線です。
周りより気圧が高いか低いかで決まるから、◯hPa以上(以下)で高(低)気圧という基準はないんだよ!
同じ1000hPaでも周りとの気圧差によって高気圧にも低気圧にもなるんだね。
高気圧の仕組み
高気圧とは周囲より気圧が高いところです。
周囲より気圧が高いということは、周囲より空気が重く、空気の粒が多いということです。
空気の粒は量が多いところから少ないところへ動くので、高気圧の外側に向かって移動(=発散)します。
電車に乗るときも満員の車両とガラガラの車両があれば、ガラガラの車両に移動したいのと同じだね!
この空気の粒の動きが「風」です。
高気圧から空気の粒が発散すると、高気圧内の空気の粒が少なくなります。
ここに向かって上空から空気の粒が降りてきます。これを「下降気流」といいます。
下降気流では雲は消散するため、天気は晴れやすくなります。
つまり、高気圧の地表付近では外側に向かって空気が発散し、中心部では下降気流で晴れやすい天気となります。
高気圧はいい天気っていうイメージがあるね!
低気圧の仕組み
低気圧とは周囲より気圧が低いところです。
周囲より気圧が低いということは、周囲より空気が軽く、空気の粒が少ないということです。
空気の粒は量が多いところから少ないところへ動くので、低気圧の中心に向かって移動(=収束)します。
低気圧に集まって中心付近でぶつかった空気は、上か下に移動するしかありませんが、下は地面なので行けません。
なので、低気圧の中心付近では空気は上に昇っていきます。これを「上昇気流」といいます。
上昇気流では雲が発生するため、天気は悪くなります。
つまり、低気圧の地表付近では中心に向かって空気が収束し、中心部では上昇気流で曇りや雨が降りやすい天気となります。
低気圧では天気が悪くなるのか〜
日本周辺の高気圧と低気圧の種類
日本周辺の高気圧
日本周辺には大きく4つの高気圧が現れます。
太平洋高気圧(小笠原気団)
太平洋高気圧は日本の南東にある暖かく湿った高気圧で、夏によく見られます。
太平洋高気圧は北緯30度付近の亜熱帯高圧帯にできますが、その西部の一部を小笠原気団と呼んだりもします。
移動性高気圧(揚子江気団)
移動性高気圧は日本の西から東へと移動する暖かく乾いた高気圧で、春によく見られます。
日本の南西にある揚子江気団の一部がちぎれ、偏西風に乗って移動してくるものが移動性高気圧です。
オホーツク海高気圧
オホーツク海高気圧は日本の北東にある冷たく湿った高気圧で、梅雨や夏に気温が上がらない時によく見られます。
オホーツク海高気圧が日本付近に張り出すと、北日本〜東日本の太平洋側を中心に低温で日照不足の日が続きやすくなります。
シベリア高気圧(シベリア気団)
シベリア高気圧は日本の北西にある冷たく乾いた高気圧で、冬によく見られます。
シベリア高気圧が張り出すと西高東低(西に高気圧、東に低気圧)の「冬型の気圧配置」となり、日本に寒気が流入しやすくなります。
一言で高気圧と言ってもいろんな種類があるんだよ!
日本周辺の低気圧
日本周辺にはさまざまな低気圧が発生しますが、ここでは大きく3つの低気圧を紹介します。
温帯低気圧
温帯低気圧は暖かい空気と冷たい空気がぶつかることでできる低気圧です。
日本付近では北緯30度〜60度の中緯度帯で発生し、温暖前線や寒冷前線などの前線をもちます。
熱帯低気圧、台風
熱帯低気圧は熱帯の暖かい海水が蒸発し、水蒸気を多く含んだ上昇気流によってできる低気圧です。
前線はなく、等圧線が円形で、中心部で密になります。
熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s以上に発達したものを台風と呼びます。
温帯低気圧は前線があって、熱帯低気圧は前線がないんだよ!
寒冷低気圧(寒冷渦)
寒冷低気圧(寒冷渦)は上空の気圧の谷が低緯度の方へ張り出したまま切り離されたときにできる低気圧です。
夏の雷や冬の日本海側に大雪をもたらすなど、大気の激しい現象が発生しやすくなります。
その他
その他にも、日本付近には南岸低気圧、東シナ海低気圧(台湾低気圧)、日本海低気圧、二つ玉低気圧とよばれる低気圧もあります。
まとめ:高気圧と低気圧は天気の基礎!
今回の記事では、以下の5点について解説しました。
- 気圧とは「空気の重さ」のこと
- 高気圧は空気が発散し、下降気流で晴れやすい
- 低気圧は空気が収束し、上昇気流で曇りや雨となりやすい。
- 日本周辺の高気圧は大きく4つ(太平洋高気圧、移動性高気圧、オホーツク海高気圧、シベリア高気圧)
- 日本周辺の低気圧は大きく3つ(温帯低気圧、熱帯低気圧、寒冷低気圧)
高気圧と低気圧の仕組みは天気を理解する上でとても大事になります。
また、高気圧と低気圧を理解すれば、天気図を見ただけでおおよその天気が推測できるようになります。
これからも楽しく天気を学んでいきましょう!
ではでは〜!
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