夏の暑い日、店先や路地裏などで人々が打ち水する光景は、日本の夏の風物詩の一つですよね。
昔から暑さを和らげるために行ってきた打ち水ですが、果たして本当に効果があるのか、疑問に思っている人もいるでしょう。
そこで、今回は
- 打ち水って本当に効果あるの?
- 打ち水で涼しくなる仕組みは?
- 打ち水のより効果的なまき方や時間帯は?
という人に向けて、打ち水の仕組みと効果的な水のまき方を解説します!
打ち水は本当に効果がある?
結論から言うと、打ち水には
暑さを和らげる効果があります。
実際に、打ち水の効果を実証した2つの実験があります。
下記画像は一般財団法人日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」のプロジェクトチームが実施した打ち水の実証実験です。
この実験では、打ち水の前後で地面の温度が約20度低くなりました。
実験の詳細は「熱ゼロ研究レポート:打ち水効果をサーモカメラで観測!」をご覧ください。
打ち水で涼しくなる仕組み
では、なぜ打ち水で涼しくなるのでしょうか。
打ち水で涼しくなる理由は大きく3つあります。
打ち水そのものによる冷却効果
打ち水をすることで、水そのものの冷たさによって地面が冷やされます。
水をまくことで熱いアスファルトやコンクリートが冷やされ、表面温度や周辺の温度が下がるため、涼しく感じます。
気化熱で地面の熱を奪って冷やす
打ち水をすることで、気化熱によって地面の熱を大気中に逃がします。
気化熱とは、水が蒸発する時に周囲から熱を吸収する現象のことです。
つまり、地面が濡れている間は、水が地面から熱を奪って蒸発しようとするので、表面温度や周辺の温度が下がり、涼しく感じます。
お風呂あがりに濡れたままでいたら、体が冷えてくるよね!
これは気化熱によって体の表面から熱が奪われているからだよ!
そよ風が発生する
打ち水をした場所には水蒸気が発生し、気圧が上がります。
一方で、打ち水をしない場所の気圧に変化は起こらないため、打ち水をした場所としない場所とで気圧の差が生じ、そよ風が発生します。
このそよ風に当たると、体感的に涼しく感じます。
効果的な打ち水の方法
より効果的な時間帯は?
打ち水を行う時間帯は朝夕がおすすめです。
日差しが強い日中に打ち水をすると、瞬間的に温度は下がりますが、まいた水がすぐに蒸発してしまうため効果が持続しません。
このため、朝や夕方など日差しが弱い時間帯に行う方が、水が蒸発するまでに時間がかかり、地表の温度上昇を抑える効果が持続します。
特に、夕方はアスファルトやコンクリートは熱がこもっているため、夕方に打ち水を行うと、夜の寝苦しさを緩和できます。
どこに水をまくのがいい?
地面はもちろん、ベランダ、建物の壁、屋上、エアコンの室外機なども効果的です。
室温は、日差しを浴びた屋根や壁の熱によって上昇します。
屋根や壁に打ち水をすることで、室温の上昇を抑えることができます。
また、マンションなど屋根や壁への打ち水が難しい場合はベランダでの打ち水がおすすめです。
コンクリートでできたベランダは熱をためやすいため、ベランダに打ち水をすることで、室温を下げる効果が期待できます。
また、日向よりも日陰や風通しの良い場所がおすすめです。
日向に水をまくと、すぐに蒸発してしまうため、打ち水効果の持続は期待できません。
それどころか、湿度が上がって不快感が増すことになってしまいます。
日陰であればまいた水が蒸発するまでにある程度時間がかかり、気化熱の効果が持続します。
さらに、風通しがよい日陰であれば、涼しい風が吹いて涼しさを実感できるでしょう。
水をまく道具は?
どんなものでもOKです!
じょうろやバケツ、ペットボトルなど、お好きなものでまきましょう。
どんな水をまく?
お風呂の残り湯、エアコンの室外機にたまった水、雨水など2次利用水を使うのがエコでおすすめです!
打ち水はエアコンの設定温度を下げるためエコにも貢献するものですが、水道水をそのまま使用してしまうとエコになりません。
お風呂の残り湯やプールの水などの二次利用水や、ためた雨水などを利用するようにしましょう。
ただし、衛生的に問題のある汚水などをまくのは避けましょう。
どれくらい水をまく?
なるべく広範囲に行うと、効果が持続します。
まとめ
今回は打ち水の仕組みや効果的なまき方について説明しました。
- 打ち水は暑さを和らげる効果が実証されている。
- 打ち水で涼しくなる仕組みは大きく3つ。
① 水そのもので冷やされる。
② 気化熱で冷やされる。
③ そよ風で冷やされる。 - 打ち水は朝夕の日陰にまくのがおすすめ。
打ち水は視覚的にも体感的にも暑さを和らげることができます。
打ち水によってエアコンの利用を減らすことができれば、夏場の節電にもつながります。
効果的な打ち水の方法を知って、賢く夏を乗りきりましょう。
なんとなく分かったかな?
読んでくれてありがとう!
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