てるらん
今日空を見てたら色んな形の雲があったんだ。雲って何種類あるの?
実は、雲は10種類に分類することができます。これを十種雲形(じゅっしゅうんけい)といいます。
今回は
- 十種雲形とは
- 10種類の雲のでき方や特徴
について解説します。
目次
十種雲形とは
十種雲形(じゅっしゅうんけい)とは、さまざまな雲を形と高さによって10種類に分類したものです。
十種雲形は、1895年の国際気象会議で定められ、国際的にも統一して使われています。
高さでは上層雲、中層雲、下層雲の3つに分けられ、形では層雲型と積雲型の2つに分けられます。
分類を簡単に表すと以下の通りです。
- 上層雲:上空5000〜13000mにできる。巻雲、巻層雲、巻積雲の3つ。
- 中層雲:上空2000〜7000mにできる。高積雲、高層雲、乱層雲の3つ。
- 下層雲:地表付近〜2000mにできる。層雲、層積雲、積雲、積乱雲の4つ。
- 層雲型:水平方向に広がっている。
- 積雲型:鉛直方向に広がっている。
上層雲
上空5000〜13000mにできる雲を上層雲といいます。
巻雲(けんうん)
- 特徴:刷毛(はけ)で掃いたような白く細い繊維状や帯状の雲。氷晶が集まってできており、太陽や月に暈(かさ)がかかることもある。
- でき方:氷晶が大きくなり、蒸発しながら落下することですじ状となる。
- 別名:すじ雲
- 学名:Cirrus(シーラス)
- 学名の由来:Cirrus(シーラス)はラテン語で「ちぢれ毛、巻き髪」という意味。
- 記号:Ci(シーアイ)
昔は「絹雲(けんうん)」と表記したこともあったけど、今は「巻雲」で統一されているよ!
巻積雲(けんせきうん)
- 特徴:小さな塊の雲が、空にたくさん広がる。粒状や細かいさざ波状で、薄く水平に広がる影のない雲。
- でき方:湿った空気層内で穏やかな対流(上下運動)が起こる時に発生する。雲の部分が上昇流、青空の部分が下降流。
- 別名:うろこ雲、いわし雲、さば雲
- 学名:Cirrocumulus(シーロキュムラス)
- 学名の由来:Cirrus(シーラス:巻雲)とCumulus(キュムラス:積雲)を合わせた造語。
- 記号:Cc(シーシー)
巻層雲(けんそううん)
- 特徴:春や秋の低気圧接近時に、日暈(ひがさ)や月暈(つきがさ)ができることが多い。白く透き通ったベールのような雲で全天に広がることが多い。
- でき方:温暖前線面に沿って発生することが多い。
- 別名:うす雲
- 学名:Cirrostratus(シーロストラタス)
- 学名の由来:Cirrus(シーラス:巻雲)とStratus(ストラタス:層雲)を合わせた造語。
- 記号:Cs(シーエス)
「日暈、月暈は雨の兆し」と言われるように、この雲が出ると天気が崩れることが多いよ!
温暖前線が近づいてる証拠なんだね!
中層雲
上空2000〜7000mにできる雲を中層雲といいます。
高積雲(こうせきうん)
- 特徴:白や灰色の層状の雲で、丸い塊が群れをなしたり、うね状に並んだりする。主に水滴からなっており、全天を覆うように広がることも多い。
- でき方:空気中の温度差で上昇気流のうずができ、それによって雲ができる。
- 別名:ひつじ雲、むら雲、まだら雲
- 学名:Altocumulus(オルトキュムラス)
- 学名の由来:alto(オルト:ラテン語で高い)とCumulus(キュムラス:積雲)を合わせた造語。
- 記号:Ac(エーシー)
高層雲(こうそううん)
- 特徴:雨や雪の前によく見られる。灰色がかった厚い層状の雲で、ほとんど全天を覆う。雲が薄い場合は太陽がぼんやりと見えることもあるが、暈は生じない。
- でき方:温暖前線に沿って暖気が上昇する時に発生する。
- 別名:おぼろ雲
- 学名:Altostratus(オルトストラタス)
- 学名の由来:alto(オルト:ラテン語で高い)とStratus(ストラタス:層雲)を合わせた造語。
- 記号:As(エーエス)
乱層雲(らんそううん)
- 特徴:暗灰色でどんよりと厚く全天を覆い、雨や雪を持続的に降らせる。乱層雲は上層や下層にまで広がっていることもある。
- でき方:前線や台風の通過に伴って、暖気が寒気の上に乗るときにできる。
- 別名:雨雲
- 学名:Nimbostratus(ニンボストラタス)
- 学名の由来:Nimbo(ニンボ:ラテン語で雲)とStratus(ストラタス:層雲)を合わせた造語。
- 記号:Ns(エヌエス)
下層雲
地表付近〜上空2000mにできる雲を下層雲といいます。
層雲(そううん)
- 特徴:雲の中では一番低く、層状に発生する灰色の雲。山などの地表に接すると、霧とよばれる。
- でき方:雨上がりや霧が上昇した時などにできる。
- 別名:きり雲
- 学名:Stratus(ストラタス)
- 学名の由来:Stratus(ストラタス)はラテン語で「広がった、覆われた」という意味。
- 記号:St(エスティー)
層積雲(そうせきうん)
- 特徴:白または灰色の、厚く層をなした雲で、水滴でできている。団塊状やうねのような形に並ぶ。全天を覆うことが多いが、切れ切れに青空が見える。高積雲に似ているが現れる高度が低い。
- でき方:層雲が上方向に成長してできたり、積雲が横に広がってできる。
- 別名:くもり雲
- 学名:Stratocumulus(ストラトキュムラス)
- 学名の由来:Stratus(ストラタス:層雲)とCumulus(キュムラス:積雲)を合わせた造語。
- 記号:Sc(エスシー)
積雲(せきうん)
- 特徴:雲底が平らで、上面はカリフラワーのような形。晴れた日中に、孤立して現れる。山のように隆起した大きな積雲を雄大積雲(ゆうだいせきうん)といい、積雲の一部がちぎれて風に流されているものを片積雲(へんせきうん)という。積雲は中層や上層にまで広がっていることもある。
- でき方:日射や地形などによる上昇気流によってできる。
- 別名:わた雲
- 学名:Cumulus(キュムラス)
- 学名の由来:Cumulus(キュムラス)はラテン語で「積み上げる」という意味。
- 記号:Cu(シーユー)
積乱雲(せきらんうん)
- 特徴:積雲がさらに発達したもので、巨大な塔のように高く盛り上がる。上部には氷晶ができ、巻雲のように繊維状となり、かなとこ型に広がる。雷雨を伴うことも多く、ときに雹(ひょう)を降らせることもある。積乱雲は中層や上層にまで広がっていることもある。
- でき方:台風の中や寒冷前線、停滞前線の近くにできる。強い日射で空気が暖まった時にもできやすい。
- 別名:入道雲、雷雲、かなとこ雲
- 学名:Cumulonimbus(キュムロニンバス)
- 学名の由来: Cumulus(キュムラス:積雲)とNimbo(ニンボ:ラテン語で雲)を合わせた造語。
- 記号:Cb(シービー)
まとめ:雲は10種類に分けられる
今回の記事では、以下の4点について解説しました。
- 十種雲形とはさまざまな雲を形と高さによって10種類に分類したもの
- 上層雲は3つ(巻雲、巻積雲、巻層雲)
- 中層雲は3つ(高積雲、高層雲、乱層雲)
- 下層雲は4つ(層雲、層積雲、積雲、積乱雲)
今日の雲は何雲なのか観察してみましょう。
これからも楽しく天気を学んでいきましょう!
ではでは〜!
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