【第65回】2026年1月試験(学科専門試験)問14(週間天気予報)

問14難しい

気象庁が発表している週間天気予報に関連する次の文 (a) 〜 (c) の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。

(a) 2日先から7日先の最高気温の予報誤差(RMSE)は、全国平均では冬より夏の方が小さい傾向がある。

(b) 1月の北陸地方と6月の九州南部の平年の天候はともに降水となる日が多いが、北陸地方の方が降水となる日が多く、3日先から7日先の降水の有無の適中率を比べると1月の北陸地方の方が低い傾向がある。

(c) 週間天気予報の信頼度は、降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表しており、7日先の方が6日先より高くなることがある。

   





解説

本問は、気象庁が発表している週間天気予報に関する問題です。

本問の解説:(a) について

(問題)2日先から7日先の最高気温の予報誤差(RMSE)は、全国平均では冬より夏の方が小さい傾向がある。

→ 答えは 誤 です。

最高気温の予報誤差の例年値は、気象庁ホームページ「最高気温の予報誤差の例年値」で公表されています。

気象庁ホームページ「時に関する用語」によると、冬は12月から2月まで、夏は6月から8月までの期間とされています。

では、この期間の2日先から7日先の最高気温の予報誤差(RMSE)を比較してみましょう。

予報日冬夏
12月1月2月平均6月7月8月平均
2日目1.41.51.51.472.01.81.81.87
3日目1.61.61.71.632.12.02.02.03
4日目1.61.71.91.732.32.02.22.17
5日目1.81.92.11.932.52.22.32.33
6日目1.92.02.32.072.62.32.42.43
7日目2.12.22.52.272.82.42.52.57
2~7日目平均1.71.82.01.832.42.12.22.23
出典:気象庁ホームページ「最高気温の予報誤差の例年値」をもとに作成
(単位は℃、期間は2016年から2025年の平均。3か月平均は各月の値から計算)

上表の「平均」の列を見ると、2日目から7日目までのどの予報日でも、夏の方が冬より予報誤差が大きいことが分かります。

例えば、2日目は冬が 1.47℃、夏が 1.87℃、7日目は冬が 2.27℃、夏が 2.57℃ です。

2~7日目平均で比べても、冬が 1.83℃、夏が 2.23℃ で、夏の方が 0.4℃ 大きくなっています。

では、なぜ夏の最高気温の予報誤差は冬より大きくなるのでしょうか。

夏は日射が強く、晴れた日には日中の気温が大きく上昇します。

そのため、雲の量や日射の強さ、風向・風速などの予測が少しずれるだけでも、地上に届く日射や地表から大気へ伝わる熱の量が変化し、日中の気温の上がり方に違いが生じます。

特に最高気温は、こうした日中の気温変化の影響を受けやすいため、夏は予報誤差が大きくなりやすいと考えられます。

てるるん

夏は日射が強いから、天気や風の予測が少しずれるだけでも、最高気温の予報がずれやすいんだ!

したがって、2日先から7日先の最高気温の予報誤差(RMSE)は、全国平均では冬より夏の方が「小さい」のではなく「大きい」傾向がありますので、答えは 誤 となります。

本問の解説:(b) について

(問題)1月の北陸地方と6月の九州南部の平年の天候はともに降水となる日が多いが、北陸地方の方が降水となる日が多く、3日先から7日先の降水の有無の適中率を比べると1月の北陸地方の方が低い傾向がある。

→ 答えは 誤 です。

降水の有無の適中率の例年値は、気象庁ホームページ「降水の有無の適中率の例年値」で公表されています。

降水の有無の適中率 とは、「雨や雪が降るか降らないか」の予報が当たった割合のことで、値が大きいほど予報がよく当たっていることを表します。

では、1月の北陸地方と6月の九州南部の、3日先から7日先の降水の有無の適中率を比較してみましょう。

予報日1月の北陸地方6月の九州南部
3日目8375
4日目8170
5日目7968
6日目7667
7日目7462
3~7日目平均7868
出典:気象庁ホームページ「降水の有無の適中率の例年値」をもとに作成
(単位は%、期間は2016年から2025年の平均)

上表を見ると、3日目から7日目までのどの予報日でも、1月の北陸地方の方が6月の九州南部より適中率が高いことが分かります。

例えば、3日目は北陸地方が 83%、九州南部が 75%、7日目は北陸地方が 74%、九州南部が 62% です。

3~7日目平均で比べても、北陸地方が 78%、九州南部が 68% で、北陸地方の方が 10% 高くなっています。

では、なぜ1月の北陸地方の方が適中率が高くなるのでしょうか。

1月の北陸地方では、冬型の気圧配置になると、日本海から水蒸気を含んだ空気が流れ込み、広い範囲で雪や雨が降りやすくなります。

このように、広い範囲でまとまって降水がある場合は、「降水あり」と予報したときに予報が当たりやすくなります。

一方、6月の九州南部は、梅雨の時期にあたります。

この時期は、前線や対流雲などの影響で、雨が比較的狭い範囲に集中することがあります。

狭い範囲で雨が降る場合、同じ地域の中でも「雨が降る所」と「降らない所」が分かれやすくなります。

そのため、地域全体として降水の有無を予報することが難しくなります。

つまり、1月の北陸地方は降水となる日が多くても、広い範囲で雪や雨が降りやすいため、降水の有無を予報しやすいのです。

一方、6月の九州南部では、狭い範囲で雨が降ることがあり、降水の有無を予報するのが難しくなります。

そのため、1月の北陸地方の方が降水の有無の適中率が高くなるのです。

てるらん

降水となる日が多いかどうかと、予報が当たりやすいかどうかは別の話なんだね!

したがって、3日先から7日先の降水の有無の適中率を比べると、「1月の北陸地方の方が低い」のではなく「1月の北陸地方の方が高い」傾向がありますので、答えは 誤 となります。

本問の解説:(c) について

(問題)週間天気予報の信頼度は、降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表しており、7日先の方が6日先より高くなることがある。

→ 答えは 正 です。

週間天気予報の信頼度は、気象庁ホームページ「週間天気予報」で解説されています。

週間天気予報 とは、発表日翌日から7日先までの期間の予報のことです。

週間天気予報では、3日目以降の降水の有無の予報に「信頼度」が付けられています。

信頼度 とは、降水の有無の予報について、「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表す情報のことです。

信頼度はA・B・Cの3段階に分けられており、Aほど予報の確度が高く、Cほど低くなります。

信頼度内容降水有無の適中率翌日に予報が変わる割合
A確度が高い予報平均88%平均1%
B確度がやや高い予報平均73%平均6%
C確度がやや低い予報平均58%平均16%
出典:気象庁ホームページ「週間天気予報」をもとに作成(検証結果は2014年12月までの5年間のデータ)

上表を見ると、信頼度がAに近いほど、予報は当たりやすく、翌日に予報が変わる割合も低いことが分かります。

では、この信頼度はどのように決まるのでしょうか。

週間天気予報では、少しずつ異なる初期値から複数の予測を行う アンサンブル予報 が利用されています。

この複数の予測結果がよくそろっていれば、予測結果のばらつきが小さいため、将来の天気が比較的安定して予測されていると考えられ、信頼度が高くなります。

反対に、予測結果が大きくばらついていれば、将来の天気について不確実性が大きく、翌日に予報が変わったり、予報が外れたりする可能性が高くなります。

このため、一般には先の日になるほど予測結果のばらつきが大きくなり、信頼度は低くなる傾向があります。

しかし、信頼度は「何日先か」だけで決まるわけではありません。

その日の気圧配置などによっては、7日先の方が6日先より複数の予測結果がよくそろうこともあります。

その場合には、7日先の方が6日先より信頼度が高くなることがあります。

実際に、気象庁の「信頼度情報の利用例」では、土曜日の信頼度が「B」で、その翌日の日曜日が「A」となっており、先の日の方が信頼度が高くなっている例が示されています。

てるるん

信頼度は「何日先か」だけで決まるわけじゃないんだよ!

したがって、週間天気予報の信頼度は、降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表しており、7日先の方が6日先より高くなることがありますので、答えは 正 となります。

以上より、本問の解答は、(a) 誤 (b) 誤 (c) 正 とする 4 となります。

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書いてある場所:P297(アンサンブル予報)


書いてある場所:ー


書いてある場所:P290(週間天気予報)、P297(府県週間天気予報)、P316(RMSE)、P324〜325(アンサンブル予報)


書いてある場所:P330(週間天気予報・信頼度情報)、P454〜457(適中率・RMSE)


週間天気予報(気象庁ホームページ)

書いてある場所:「信頼度」(A・B・Cの3段階)


天気予報の精度の例年値とその特徴(気象庁ホームページ)

書いてある場所:「(1)降水の有無」(夏の適中率が低い理由)、「(2)最高気温」(春から夏に予報誤差が大きくなる理由)


最高気温の予報誤差の例年値(気象庁ホームページ)

書いてある場所:「2~7日目平均」(1月・7月の表)


降水の有無の適中率の例年値(気象庁ホームページ)

書いてある場所:「3~7日目平均」(1月・6月の表)


時に関する用語(気象庁ホームページ)

書いてある場所:「6月から8月までの期間」(夏)、「12月から2月までの期間」(冬)

備考

試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。

当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。

また、当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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