【第64回】2025年8月試験(学科一般試験)問14(気象測器の検定)

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問14

気象測器の検定について述べた次の⽂ (a) 〜 (c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。

(a) 気象庁以外の政府機関⼜は地⽅公共団体が研究のために⾏う気象の観測に使⽤する温度計及び気圧計は、登録検定機関が⾏う検定に合格したものでなければならない。

(b) 気象測器の検定の有効期間はすべて5年間である。

(c) 登録検定機関に検定を申請するときは、その⼿続きは当該気象測器の製造者が⾏わなければならない。

   





解説

本問は、気象測器の検定に関する問題です。

「検定の対象となる気象観測」「検定の有効期間」「検定の申請者」という、気象測器の検定をめぐる3つの基本論点が一気に問われている良問です。

特に (b) は「すべて」、(c) は「製造者が行わなければならない」という言い切り表現がポイントです。

条文を正確に読んでいないと「だいたい正しいかな」と判断してしまいがちなひっかけになっているので、それぞれの条文と照らし合わせながら丁寧に確認していきましょう。

てるらん

気象業務法って文字が多くて、どこを見ればいいのか分からなくなりそう・・・

てるるん

大丈夫!本問で確認する条文は、気象業務法の第六条・第九条・第二十八条・第三十一条と、気象測器検定規則の第十五条だけだよ。一緒に見ていこう!

関係する条文(予備知識)

まずは、関係する気象業務法気象測器検定規則の規定を見てみましょう。

(気象庁以外の者の行う気象観測)

第六条 気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が気象の観測を行う場合には、国土交通省令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。但し、左に掲げる気象の観測を行う場合は、この限りでない。

   研究のために行う気象の観測
   教育のために行う気象の観測
   国土交通省令で定める気象の観測

(気象測器)

第九条 第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測に用いる気象測器、第七条第一項の規定により船舶に備え付ける気象測器又は第十七条第一項の規定により許可を受けた者が同項の予報業務のための観測に用いる気象測器であつて、正確な観測の実施及び観測の方法の統一を確保するために一定の構造(材料の性質を含む。)及び性能を有する必要があるものとして別表の上欄に掲げるものは、第三十二条の三及び第三十二条の四の規定により気象庁長官の登録を受けた者が行う検定に合格したものでなければ、使用してはならない。ただし、特殊の種類又は構造の気象測器で国土交通省令で定めるものは、この限りでない。

(検定の合格基準)

第二十八条 第九条の登録を受けた者(以下「登録検定機関」という。)は、別表の上欄に掲げる気象測器について、検定の申請があつたときは、その気象測器が次の各号に適合するかどうかについて検査し、適合すると認めるときは、合格の検定をしなければならない。

  一 その種類に応じて国土交通省令で定める構造(材料の性質を含む。)を有すること。
  二 その器差が国土交通省令で定める検定公差を超えないこと。

(検定の有効期間)

第三十一条 構造、使用条件、使用状況等からみて検定について有効期間を定めることが適当であると認められるものとして国土交通省令で定める気象測器の検定の有効期間は、その国土交通省令で定める期間とする。

気象業務法「https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000165/

また、気象業務法第三十一条で「国土交通省令で定める気象測器」とされているものは、気象測器検定規則で具体的に定められています。

(検定の有効期間)

第十五条 気象業務法第三十一条の国土交通省令で定める気象測器は、次の表の上欄に掲げるものとし、その検定の有効期間は、同表の下欄に掲げるものとする。

気象測器検定規則「https://laws.e-gov.go.jp/law/414M60000800025/

この第十五条で定められている気象測器と検定の有効期間は、次の表のとおりです。

気象測器検定の有効期間
液柱型水銀気圧計
アネロイド型気圧計
風杯型風速計
風車型風速計
電気式日射計
貯水型雨量計(自記式のものに限る。)
転倒ます型雨量計
五年
ラジオゾンデ用温度計
ラジオゾンデ用気圧計
ラジオゾンデ用湿度計
一年
出典:気象測器検定規則 第十五条第1項(e-Gov 法令検索

では、本問の選択肢と見比べてみましょう。

本問の解説:(a) について

(問題)気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が研究のために行う気象の観測に使用する温度計及び気圧計は、登録検定機関が行う検定に合格したものでなければならない。

→ 答えは です。

気象業務法第六条第一項を見ると、気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が気象の観測を行う場合には、原則として技術上の基準に従わなければならないと定められています。

しかし、ただし書きで「但し、左に掲げる気象の観測を行う場合は、この限りでない」として、第一号で「研究のために行う気象の観測は技術上の基準の適用対象から除かれています。

第六条 気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が気象の観測を行う場合には、国土交通省令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。但し、左に掲げる気象の観測を行う場合は、この限りでない。

   研究のために行う気象の観測

そして、検定に合格した気象測器を使用しなければならないと定めている気象業務法第九条は、その対象を「第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測に用いる気象測器」としています。

つまり、第六条第一項の技術上の基準の対象から除かれている「研究のために行う気象の観測」については、そもそも第九条の検定の対象にもならないということです。

てるるん

「研究のための観測」は、技術上の基準そのものから除外されているから、第九条の検定義務もかからないんだよ!

したがって、本文の「研究のために行う気象の観測に使用する温度計及び気圧計は、登録検定機関が行う検定に合格したものでなければならない」という内容は、気象業務法第六条第一項第一号の規定により技術上の基準の適用が除外され、第九条の検定義務も適用されないものですので、答えは となります。

本問の解説:(b) について

(問題)気象測器の検定の有効期間はすべて5年間である。

→ 答えは です。

気象業務法第三十一条を見ると、検定の有効期間が定められるのは「構造、使用条件、使用状況等からみて検定について有効期間を定めることが適当であると認められるものとして国土交通省令で定める気象測器」とされています。

第三十一条 構造、使用条件、使用状況等からみて検定について有効期間を定めることが適当であると認められるものとして国土交通省令で定める気象測器の検定の有効期間は、その国土交通省令で定める期間とする。

つまり、検定の対象となるすべての気象測器に有効期間が定められているわけではなく、国土交通省令で定めたものにだけ有効期間が設けられているのです。

そして、その「国土交通省令」にあたるのが気象測器検定規則第十五条です。

第十五条 気象業務法第三十一条の国土交通省令で定める気象測器は、次の表の上欄に掲げるものとし、その検定の有効期間は、同表の下欄に掲げるものとする。

気象測器検定の有効期間
液柱型水銀気圧計
アネロイド型気圧計
風杯型風速計
風車型風速計
電気式日射計
貯水型雨量計(自記式のものに限る。)
転倒ます型雨量計
五年
ラジオゾンデ用温度計
ラジオゾンデ用気圧計
ラジオゾンデ用湿度計
一年
出典:気象測器検定規則 第十五条第1項(e-Gov 法令検索

気象測器検定規則第十五条では、有効期間が定められる気象測器とその有効期間が表で具体的に示されており、測器の種類によって有効期間が異なることがわかります。

たとえば、ラジオゾンデ用温度計は1年、転倒ます型雨量計は5年というように、測器ごとに別々の期間が定められています。

てるるん

ぜんぶ5年って覚えがちだけど、実際は測器ごとに違うんだよ!「すべて」っていう言い切りには気をつけよう!

したがって、本文の「気象測器の検定の有効期間はすべて5年間である」という内容は、気象測器検定規則第十五条の規定により測器の種類に応じて有効期間が異なっています。また、そもそも有効期間が定められていない測器も存在しますので、「すべて5年間」というのは誤りであり、答えは となります。

本問の解説:(c) について

(問題)登録検定機関に検定を申請するときは、その手続きは当該気象測器の製造者が行わなければならない。

→ 答えは です。

気象業務法第二十八条を見ると、登録検定機関は「検定の申請があつたときは、その気象測器が次の各号に適合するかどうかについて検査し、適合すると認めるときは、合格の検定をしなければならない」と定められています。

第二十八条 第九条の登録を受けた者(以下「登録検定機関」という。)は、別表の上欄に掲げる気象測器について、検定の申請があつたときは、その気象測器が次の各号に適合するかどうかについて検査し、適合すると認めるときは、合格の検定をしなければならない。

  一 その種類に応じて国土交通省令で定める構造(材料の性質を含む。)を有すること。
  二 その器差が国土交通省令で定める検定公差を超えないこと。

ここで気象業務法をよく確認してみると、検定を申請する者を限定する規定はどこにもありません

つまり、検定の申請は気象測器の製造者でも、観測を行う者でも、その他の者でも構わないということになります。

気象業務法が求めているのはあくまで「観測を行う者が、検定に合格した気象測器を用いて観測を行うこと」(第九条)であって、その検定をいつ・誰が申請したのかは問われていません。

てるるん

検定は「合格しているかどうか」が大事で、「誰が申請したか」は法律で限定されていないんだよ!

したがって、本文の「検定の手続きは当該気象測器の製造者が行わなければならない」という内容は、気象業務法には申請者を限定する規定が存在しないものですので、答えは となります。

以上より、本問の解答は、(a) (b) (c) とする となります。

備考

試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。

当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。

また、当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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