問12
気象等の予報業務を⾏おうとする者が気象庁⻑官の許可を受けようとする際に要件として求められる項⽬ (a) 〜 (d) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。
(a) 当該予報業務の⽬的及び範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受け取ることができる施設と要員を有すること。
(b) 当該予報業務に必要な予報資料の収集のための施設と要員を有すること。
(c) 当該予報業務で発表する予報について解説するための施設と要員を有すること。
(d) 当該予報事項を迅速に利⽤者に伝達できる施設を有すること。
本問は、予報業務の許可の基準(気象業務法第18条第1項)に関する問題です。
本問の解説
(問題)気象等の予報業務を⾏おうとする者が気象庁⻑官の許可を受けようとする際に要件として求められる項⽬ (a) 〜 (d) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。
(a) 当該予報業務の⽬的及び範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受け取ることができる施設と要員を有すること。
(b) 当該予報業務に必要な予報資料の収集のための施設と要員を有すること。
(c) 当該予報業務で発表する予報について解説するための施設と要員を有すること。
(d) 当該予報事項を迅速に利⽤者に伝達できる施設を有すること。
→ 答えは (a) 正 (b) 正 (c) 誤 (d) 誤 とする 2 です。
まずは、関係する気象業務法の規定を見てみましょう。
(許可の基準)
第十八条 気象庁長官は、前条第一項の規定による許可の申請書を受理したときは、次の基準によつて審査しなければならない。
一 当該予報業務を適確に遂行するに足りる観測その他の予報資料の収集及び予報資料の解析の施設及び要員を有するものであること。
二 当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受けることができる施設及び要員を有するものであること。
三 地震動、火山現象及び津波の予報以外の予報の業務を行おうとする場合にあつては、当該予報業務を行う事業所につき、第十九条の二の要件(気象予報士の設置)を備えることとなつていること。
四 地震動、火山現象又は津波の予報の業務を行おうとする場合にあつては、当該予報業務のうち現象の予想の方法が国土交通省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
(以下省略)
つまり、予報業務の許可の基準として法律で定められているのは、次の4項目です。
- 第一号:観測・予報資料の収集および解析のための施設・要員
- 第二号:気象庁の警報事項を迅速に受けることができる施設・要員
- 第三号:気象予報士の設置(気象や地象などの予報業務の場合)
- 第四号:現象の予想の方法が技術上の基準に適合すること(地震動・火山現象・津波の予報業務の場合)
てるるん今回の問題で関係するのは、施設や要員に関する第一号と第二号だよ!



逆にいうと、これら以外の項目(解説や利用者への伝達など)は、許可の基準には含まれていないんだね!
では、本問の選択肢と見比べてみましょう。
本問の解説:(a) について
(問題)当該予報業務の⽬的及び範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受け取ることができる施設と要員を有すること。
→ 答えは 正 です。
これは、気象業務法第18条第1項第二号の内容そのものです。
許可を受けて予報業務を行う者は、気象庁の発表する警報との整合性をもって予報業務を行う必要があります。
そのため、警報事項を迅速に入手できる施設・要員を有していることが、許可の基準として求められています。
(なお、ここでいう「要員」は、気象予報士でなければならないという規定はありません。警報事項を受信して運用・管理ができる要員であればOKです。)
したがって、答えは 正 となります。
本問の解説:(b) について
(問題)当該予報業務に必要な予報資料の収集のための施設と要員を有すること。
→ 答えは 正 です。
これは、気象業務法第18条第1項第一号の内容に該当します。
第一号では「観測その他の予報資料の収集及び予報資料の解析の施設及び要員」を有することが求められており、本選択肢の「予報資料の収集のための施設と要員」はこの一部にあたります。
(なお、ここでいう「予報資料」とは、主に気象業務支援センター経由で入手できる気象庁の数値予報資料などを想定していますが、外国の気象機関等から入手する資料を用いることを禁止する規定はありません。
また、「施設」はパソコンなどの電子機器、「要員」は (a) と同様に気象予報士である必要はなく、運用・管理ができる要員であればOKです。)
したがって、答えは 正 となります。
本問の解説:(c) について
(問題)当該予報業務で発表する予報について解説するための施設と要員を有すること。
→ 答えは 誤 です。
気象業務法第18条第1項では、許可の基準として「予報を解説するための施設・要員」に関する規定は設けられていません。
(なお、予報業務の許可を受けた事業者が発表した天気予報について解説を行うこと自体は禁止されておらず、その解説を行う者が気象予報士である必要もありません。
これは、いったん発表された天気予報の解説は、気象業務法上の「予報」(現象の予想を発表すること)には該当しないためです。)
したがって、答えは 誤 となります。
本問の解説:(d) について
(問題)当該予報事項を迅速に利⽤者に伝達できる施設を有すること。
→ 答えは 誤 です。
気象業務法第18条第1項では、許可の基準として「予報事項を利用者に伝達するための施設」に関する規定も設けられていません。
予報事項を利用者へ伝達する施設は、予報業務を実施するうえで重要な施設のひとつではありますが、どのような施設を有するかは事業計画や利用者との関係において決められるべきものとして、法律上の許可基準からは外されています。
なお、気象業務法第20条では、許可を受けて予報業務を行う者は、当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を当該予報業務の利用者に迅速に伝達するように努めなければならないとされています。
この「警報事項の伝達努力義務」は、あくまで業務遂行上の努力義務であって、許可の基準ではない点に注意しましょう。



(c) の「解説するための施設」も (d) の「利用者に伝達する施設」も、なんとなく必要そうに見えるけど・・・



そうだよね。でも、許可基準として法律で定められている施設・要員は、あくまで「観測・解析」と「警報事項の受信」の2つだけ。それ以外の項目は基準には含まれていないんだよ!
したがって、答えは 誤 となります。
以上より、本問の解答は、(a) 正 (b) 正 (c) 誤 (d) 誤 とする 2 となります。
試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。
当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。
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