【第64回】2025年8月試験(学科専門試験)問1(地上気象観測と観測結果の統計)

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問1

気象庁が⾏っている地上気象観測と観測結果の統計について述べた次の⽂ (a) 〜 (c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。

(a) 同⼀期間内に極値となる値が2つ以上現れた場合は、最初にその値が現れた起⽇(起時)の⽅を極値としている。

(b) 降雪の深さや積雪の深さについて、年をまたいだ1年間(12 か⽉)の統計を⾏う場合、前年 10 ⽉から当年9⽉までの1年間について⾏い、その期間を寒候年という。

(c) ⽇最低気温が0℃以下の⽇を冬⽇、⽇最⾼気温が0℃以下の⽇を真冬⽇としている。

   





解説

本問は、気象庁が行っている地上気象観測と観測結果の統計に関する問題です。

極値」「寒候年」「冬日・真冬日」という、気象観測統計で使われる基本用語の定義が問われています。

いずれも知っていれば一瞬で解けますが、(a) の「最初」と「後」、(b) の「8月」と「10月」、(c) の「未満」と「以下」のように、ひっかけポイントが1文字レベルで仕掛けられているのが特徴です。

普段なんとなく使い分けている言葉でも、試験では正確な定義が問われますので、この機会にしっかり整理していきましょう。

それでは、選択肢を1つずつ見ていきましょう。

本問の解説:(a) について

(問題)同一期間内に極値となる値が2つ以上現れた場合は、最初にその値が現れた起日(起時)の方を極値としている。

→ 答えは です。

極値 とは、ある期間に観測された値の最大値(最高値)または最小値(最低値)のことです。

起日(起時)とは、その最大または最小の値が発現した日(時刻)のことです。

簡単にいうと、「極値」が値そのもので、「起日(起時)」がその値が観測された日付や時刻のことです。

てるるん

例えば、ある日の1日の中で最高気温が観測された時刻が起時、ある年の1年間で最高気温が観測された日が起日だよ!

てるらん

用語は耳慣れないけど、意味自体はシンプルなんだね!

例えば、ある日の日最高気温の候補となる気温が、15時30分16時30分の2回、まったく同じ値で観測されたとします。

このとき、「日最高気温の起時」として採用するのは、15時30分(最初)と16時30分(後)のどちらでしょうか。

気象庁の「気象観測統計指針」では、同一期間内に極値となる値が2つ以上現れた場合は、起日(起時)の新しい方を極値とすると定められています。

つまり先ほどの例では、後の方の 16時30分 を日最高気温の起時として採用します。

てるらん

直感的には「最初に観測された方」を採用しそうなのに、新しい方なんだね。

てるるん

そうなんだ!「最初」と「」のひっかけは要注意だよ!

したがって、本問の文 (a) は「最初」ではなく「後(新しい方)」が正しいので、答えは となります。

本問の解説:(b) について

(問題)降雪の深さや積雪の深さについて、年をまたいだ1年間(12か月)の統計を行う場合、前年10月から当年9月までの1年間について行い、その期間を寒候年という。

→ 答えは です。

降雪の深さや積雪の深さといった冬季に観測される要素は、12月や1月をまたいで統計をとる必要があります。

そこで、年をまたいだ1年間(12か月)の統計を行うために設けられているのが「 寒候年 」という期間です。

具体的には、寒候年は 前年8月1日から当年7月31日までの1年間 を指します。

例えば、2025寒候年といえば「2024年8月1日〜2025年7月31日」の1年間のことを意味します。

てるるん

冬の真ん中(12月〜1月)が期間の真ん中になるように、夏に区切りを入れているんだよ!

てるらん

なるほど、冬を「分断しない」ように設計された1年間なんだね!

ちなみに、これとよく似た用語に「 寒候期 」があります。

寒候期は 前年10月から当年3月までの6か月間 を指す用語で、寒候年(12か月)とは期間が異なります。

下表は、寒候年と寒候期の違いをまとめたものです。

用語期間長さ
寒候年前年8月1日 〜 当年7月31日12か月
寒候期前年10月 〜 当年3月6か月

上表を見ると、寒候年と寒候期では、開始月(8月10月か)も期間の長さ(12か月6か月か)も異なることが分かります。

てるらん

本問の「前年10月から当年9月まで」って、寒候期寒候年 がちょっとずつ混ざったようなひっかけだね!

てるるん

そうなんだ!「12か月」と書かれているから 寒候年 の話だと分かるけど、開始月が「10月」というのが間違いだよ。

したがって、本問の文 (b) は「前年10月から当年9月まで」ではなく「前年8月から当年7月まで」が正しいので、答えは となります。

本問の解説:(c) について

(問題)日最低気温が0℃以下の日を冬日、日最高気温が0℃以下の日を真冬日としている。

→ 答えは です。

気象庁の予報用語では、気温に関する区分日を以下のように定めています。

  • 冬日:日最低気温が0℃未満の日
  • 真冬日:日最高気温が0℃未満の日

つまり、本問にある「以下」ではなく「 未満 」が正しい表現です。

「以下」と「未満」の違いは、ちょうど境目の値(ここでは0℃)を含むかどうかです。

下表は、「0℃以下」と「0℃未満」の違いをまとめたものです。

表現0℃を含むか意味
0℃以下含む0℃ も該当する(≦0℃)
0℃未満含まない0℃ は該当しない(<0℃)

上表のように、もし「0℃以下」が定義だとすると、日最低気温がちょうど0℃の日も「冬日」に含まれることになります。

しかし、気象庁の定義は「0℃ 未満 」ですので、日最低気温がちょうど0℃の日は冬日に含まれません

てるらん

たった1文字の違いだけど、定義としては大きな違いだね!

てるるん

そうなんだ!気象庁の予報用語は1文字の差で意味が変わるから、丁寧に読み込もうね!

【補足】気温に関する区分日(気象庁予報用語)

気温に関する区分日には他にも以下のものがあります。せっかくなので一緒に押さえておきましょう。

用語定義
冬日日最低気温が0℃未満の日
真冬日日最高気温が0℃未満の日
夏日日最高気温が25℃以上の日
真夏日日最高気温が30℃以上の日
猛暑日日最高気温が35℃以上の日
酷暑日日最高気温が40℃以上の日
熱帯夜夜間の最低気温が25℃以上のこと
気温に関する区分日(気象庁予報用語)

上表を見ると、冬側の用語(冬日・真冬日)は「未満夏側の用語(夏日・真夏日・猛暑日・酷暑日)は「以上で定義されていることが分かります。

なお、酷暑日(日最高気温が40℃以上の日)は、2026年4月17日に気象庁が新たに名称を決定した、新しい予報用語です。

(タイムリーな話題なので、次の気象予報士試験で出題されるかもしれませんね。)

(参考:気象庁報道発表「最高気温が40℃以上の日の名称について」)

てるらん

冬は「未満」で、夏は「以上」なんだね!

てるるん

そうそう、混同しないように整理しておこうね!

したがって、本問の文 (c) は「以下」ではなく「未満」が正しいので、答えは となります。

以上より、本問の解答は、(a)  (b)  (c) とする となります。

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書いてある場所:P232〜233(気象観測統計)


気象庁「気象観測統計指針

備考

試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。

当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。

また、当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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