【第64回】2025年8月試験(学科専門試験)問9(北半球の偏⻄⾵帯におけるジェット気流)

問9

北半球の偏⻄⾵帯におけるジェット気流について述べた次の⽂ (a) 〜 (c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。

(a) 寒帯前線ジェット気流は、亜熱帯ジェット気流に⽐べて、⼀般に、⾵速が極⼤となる⾼度が低く、冬季に最も強くなる。

(b) ジェット気流の⾵速が下流の⽅ほど⼤きくなっている領域では、ジェット気流は等圧⾯上で等⾼度線を⾼度の⾼い側から低い側に横切ることが多い。

(c) ジェット気流の南北への蛇⾏が⼤きくなると、偏⻄⾵帯から低緯度側に切り離された上層の寒冷低気圧が形成されることがある。

   





解説

本問は、北半球の偏⻄⾵帯におけるジェット気流に関する問題です。

ジェット気流は、対流圏上層に存在する非常に強い偏西風で、総観規模の気象現象(高気圧・低気圧の発達、寒気の南下、台風の進路など)を支配する大気力学の主役です。

本問では、(a) 種類ごとの特徴(高度・季節変動)、(b) 加速領域での非地衡風と等高度線の横切り方、(c) 蛇行による切離低気圧の形成という、ジェット気流に関する基礎から応用までが網羅されています。

まずはジェット気流の基本的な分類を整理してから、各選択肢を見ていきましょう。

予備知識:北半球のジェット気流

北半球の対流圏には、亜熱帯ジェット気流寒帯前線ジェット気流 の2種類のジェット気流が存在します。

下図は、北半球の子午面循環とジェット気流の模式図です。

ジェット気流

下表は、この2種類のジェット気流の特徴をまとめたものです。

項目亜熱帯ジェット気流寒帯前線ジェット気流
緯度北緯30°付近北緯30〜60°付近
(変動が大きい)
風速が極大
となる高度
200hPa 付近300hPa 付近
成因ハドレー循環の上端で
角運動量保存により形成
寒帯前線(中緯度の
南北温度傾度)に対応
時間的・空間的変動小さい
(長時間平均でも明瞭)
大きい
(長時間平均では不明瞭)
季節変動冬季に最も強い冬季に最も強い

上表のように、両者ともに 冬季に最も強くなる 点は共通していますが、現れる緯度と高度、変動の大きさが異なる のが大きな特徴です。

てるるん

亜熱帯ジェット気流は赤道側で高い高度寒帯前線ジェット気流は極側で低い高度に現れるんだよ!

てるらん

低緯度の方が 圏界面が高くて、極側ほど 圏界面が低い から、そこに沿ってジェットの高度も変わるんだね!

本問の解説:(a) について

(問題)寒帯前線ジェット気流は、亜熱帯ジェット気流に⽐べて、⼀般に、⾵速が極⼤となる⾼度が低く、冬季に最も強くなる。

→ 答えは です。

選択肢(a)は、風速が極大となる高度冬季に最も強くなるか という2つの点について述べています。

それぞれを順番に確認していきましょう。

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