問6
図のように北半球の同じ緯度の水平面上に ● で示す3つの点 A 、B 、C があり、各点から東西南北に1km 離れた4点で、 矢印で示す水平風の風ベクトルが観測された。4点に付した ( ) 内の数値は(東向きを正とする風の東西成分 [m/s] 、北向きを正とする風の南北成分 [m/s] )である。 点 A 、B 、C における渦度の鉛直成分を東西南北の4点の水平風を用いて近似計算した値をそれぞれζA 、ζB 、ζC とするとき、これらの大小関係を表す式として正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。

( ) 内の数値は、例えば (-3, 1) は、風の東向き成分が -3m/s すなわち西向き成分が3m/s 、北向き成分が1m/s であることを示す。
本問は、渦度の計算に関する問題です。
前提知識:渦度について
まずは、渦度について理解しておきましょう。
渦度(読:うずど)とは、大気の回転方向と回転の速さを表す物理量です。
大気の流れはまっすぐ進むものだけではなく、回転しているものもあります。
この回転している状態を表すものが渦度です。
また、回転方向には、反時計回り(正)と時計回り(負)があり、
回転が速いほど、渦度が大きいと表現します。

渦度の鉛直成分 とは、低気圧や高気圧など、風の曲率やシアによって生じる渦度のことです。
渦度の鉛直成分は下式で表されます。

なぜ上式で表されるかは、下記記事を読んでみてください。

本問の解説:点 A について

渦度の鉛直成分は下式で求めることができます。(北向き、東向きが正)

この式に、問題の数値を代入すると

となりますので、ζA は 0 / 2000 となります。
本問の解説:点 B について

渦度の鉛直成分は下式で求めることができます。(北向き、東向きが正)

この式に、問題の数値を代入すると

となりますので、ζB は 9 / 2000 となります。
本問の解説:点 C について

相対渦度は下式で求めることができます。(北向き、東向きが正)

この式に、問題の数値を代入すると

となりますので、ζC は 4 / 2000 となります。
以上より、本問の解答は、ζA < ζC < ζB とする 2 となります。
書いてある場所:P163〜165(渦度)
書いてある場所:P339〜344(渦度)
書いてある場所:P270〜275(渦度)
書いてある場所:P105〜107(渦度)
試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。
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