【第64回】2025年8月試験(学科一般試験)問15(災害対策基本法)

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問15

災害対策基本法における避難の指⽰等について述べた次の⽂章の空欄 (a) 〜 (c) に⼊る語句の組み合わせとして適切なものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。

災害が発⽣し、⼜は発⽣するおそれがある場合において、⼈の⽣命⼜は⾝体を災害から保護し、その他災害の拡⼤を防⽌するため特に必要があると認めるときは、(a) は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための (b) を指⽰することができる。また、避難のための (b) を⾏うことによりかえって⼈の⽣命⼜は⾝体に危険が及ぶおそれがあり、事態に照らし緊急を要すると認めるときには、屋内の屋外に⾯する開⼝部から離れた場所での待避などの (c) を指⽰することができる。

   





解説

本問は、災害対策基本法における避難の指示等に関する問題です。

令和3年(2021年)の災害対策基本法の改正により、それまでの「避難勧告」と「避難指示(緊急)」が 「避難指示」に一本化 されました。

さらに、避難のための立退きでは間に合わないような切迫した状況を想定して、新たに 「緊急安全確保措置」 の規定が設けられました。

てるるん

避難に関するルールは、近年の大雨・水害の教訓を踏まえて見直されているんだよ!法令の最新の用語をしっかり押さえておこう!

本問は、この改正後の災害対策基本法第六十条の条文が、ほぼそのままの形で出題されています。

用語の意味と条文の構造を一度押さえてしまえば、迷わず正解にたどり着ける問題です。

関係する条文の確認(予備知識)

本問は、災害対策基本法第六十条第一項と第三項を1つの文章にまとめたものです。

それぞれの条文を順番に見ていきましょう。

(市町村長の避難の指示等)

第六十条 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することができる。

 前項の規定により避難のための立退きを指示する場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、その立退き先として指定緊急避難場所その他の避難場所を指示することができる。

 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、避難のための立退きを行うことによりかえつて人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがあり、かつ、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、高所への移動、近傍の堅固な建物への退避、屋内の屋外に面する開口部から離れた場所での待避その他の緊急に安全を確保するための措置(以下「緊急安全確保措置」という。)を指示することができる。

災害対策基本法「https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223/

それでは、本問の文章と見比べながら、空欄を1つずつ埋めていきましょう。

本問の解説:(a) について

(問題)災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、(a) は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための (b) を指示することができる。

→ 答えは 市町村長 です。

本問の文章のうち、(a) を含む前半部分は、災害対策基本法第六十条第一項の条文をそのまま引用したものです。

条文を見ると、避難のための立退きを指示する主体は 市町村長 であることが明記されていますね。

第六十条 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することができる。

てるるん

避難に関する判断は、住民に最も身近な存在である市町村長が行うんだよ!

てるらん

たしかに、地域の地形や状況を一番よく知っているのは市町村長だよね!

したがって、(a) には 「市町村長」 が入ります。

本問の解説:(b) について

(問題)市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための (b) を指示することができる。

→ 答えは 立退き です。

(b) も、(a) と同じ災害対策基本法第六十条第一項の条文に出てくる用語です。

条文を見ると、市町村長が指示できるのは「避難のための 立退き」と書かれていますね。

立退き とは、災害の危険がある場所から離れて、指定緊急避難場所など安全な場所へ移動すること を指します。簡単にいうと、危険な場所から逃げて、別の安全な場所に行くことです。

第六十条 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することができる。

てるるん

洪水や土砂災害などのおそれがあるときに、安全な場所へ移動するのが「立退き」だよ!

てるらん

危険な場所にいる人に「ここから出て安全なところに行ってください」って指示するのが (b) なんだね!

したがって、(b) には 「立退き」 が入ります。

本問の解説:(c) について

(問題)また、避難のための (b) を行うことによりかえって人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがあり、事態に照らし緊急を要すると認めるときには、屋内の屋外に面する開口部から離れた場所での待避などの (c) を指示することができる。

→ 答えは 緊急安全確保措置 です。

(c) は、災害対策基本法第六十条第三項に規定されている内容です。

第三項では、災害が発生したり、まさに発生しようとしているときに、避難のための立退きを行うことがかえって危険になるような切迫した状況 を想定しています。

このような場合に、市町村長は次のような措置を指示することができます。

  • 高所への移動
  • 近傍の堅固な建物への退避
  • 屋内の屋外に面する開口部から離れた場所での待避

これらをまとめて、第三項のかっこ書きで「 緊急に安全を確保するための措置(以下「 緊急安全確保措置 」という。)」と定義されています。

第六十条第三項 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、避難のための立退きを行うことによりかえつて人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがあり、かつ、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、高所への移動、近傍の堅固な建物への退避、屋内の屋外に面する開口部から離れた場所での待避その他の緊急に安全を確保するための措置(以下「緊急安全確保措置」という。)を指示することができる。

てるるん

例えば、川が氾濫しそうな状況で、避難所まで歩いて行くと逆に危ないとき、「2階以上の高い所に上がってください」と指示するイメージだよ!

てるらん

なるほど!避難する時間がないくらい切迫しているときの最後の手段なんだね。

したがって、(c) には 「緊急安全確保措置」 が入ります。

以上より、本問の解答は、(a) 市町村長 (b) 立退き (c) 緊急安全確保措置 とする となります。

備考

試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。

当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。

また、当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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