【第60回】2023年8月試験(学科一般試験)問11(温室効果・気候変動)

問11

温室効果や気候変動について述べた次の文 (a) ~ (c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1〜5の中から1つ選べ。

(a) 世界の年平均地上気温は、1891年以降の統計で、長期的には100年あたり2℃以上の割合で上昇している。

(b) 温室効果は、大気中の温室効果気体が、地表面から射出される赤外放射を吸収し、これらの気体から再び射出される赤外放射を地表面が吸収して地表面及び地表面付近の大気が暖まることにより生じている。

(c) 大気中の二酸化炭素の世界平均の濃度は、2010年代後半には工業化以前のおよそ1.5倍に達しており、800ppmを超えている。

   





解説

本問は、温室効果や気候変動についての問題です。

これらについては、気象庁HPの「各種データ・資料」や「知識・解説」に資料がありますので、

確認しておくとよいでしょう。

本問も気象庁HPの情報から出題されています。

また、数値などについても基本的なものは概数でもよいので覚えておくとよいでしょう。

本問の解説:(a)について

(問題)世界の年平均地上気温は、1891年以降の統計で、長期的には100年あたり2℃以上の割合で上昇している。

→ 答えは です。

下図は、気象庁HPに掲載されている、世界の年平均気温偏差(1891〜2023年)です。

世界の年平均気温偏差の経年変化(1891〜2023年)
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差
太線(青):偏差の5年移動平均値
直線(赤):長期変化傾向
基準値は1991〜2020年の30年平均値

2023年の世界の平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.54℃で、1891年の統計開始以降、2016年を上回り最も高い値となりました。

世界の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり0.76℃の割合で上昇しています。

特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。

気象庁HP 世界の年平均気温「https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html

したがって、世界の年平均気温は100年あたり2℃以上ではなく、0.76℃の割合で上昇しているので、答えは となります。

本問の解説:(b)について

(問題)温室効果は、大気中の温室効果気体が、地表面から射出される赤外放射を吸収し、これらの気体から再び射出される赤外放射を地表面が吸収して地表面及び地表面付近の大気が暖まることにより生じている。

→ 答えは です。

地球の大気には二酸化炭素などの 温室効果気体 と呼ばれる気体がわずかに含まれていますが、

これらの気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があります。

太陽光で暖められた地球の表面から、地球放射として放出された赤外線の多くが、

温室効果気体を含んでいる大気に吸収され、再び放出された赤外線が地球の表面に吸収されます。

これらの過程により、地表面及び地表面付近の大気が暖められることを 温室効果 といいます。

温室効果
画像出典:QuizKnock
「温室効果ガス」は悪いやつ?温暖化の原因、でもゼロになると困る
https://web.quizknock.com/greenhouse-gas

人間活動による二酸化炭素などの温室効果気体の増加に伴い、

地表および地表付近の大気がより暖められることにより、地球温暖化が進んでいると考えられています。

したがって、温室効果は、大気中の温室効果気体が、地表面から射出される赤外放射を吸収し、これらの気体から再び射出される赤外放射を地表面が吸収して地表面及び地表面付近の大気が暖まることにより生じているので、答えは となります。

本問の解説:(c)について

(問題)大気中の二酸化炭素の世界平均の濃度は、2010年代後半には工業化以前のおよそ1.5倍に達しており、800ppmを超えている。

→ 答えは です。

下図は、気象庁HPに掲載されている、大気中二酸化炭素の世界平均濃度の経年変化です。

大気中二酸化炭素の世界平均濃度の経年変化

温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による2022年の大気中二酸化炭素の世界平均濃度は、前年と比べて2.2ppm※1増えて417.9ppmとなっています。
工業化以前(1750年)の平均的な値とされる約278ppm※2と比べて、50%増加しています。
※1 ppmは大気中の分子100万個中にある対象物質の個数を表す単位です。
※2 気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)第6次評価報告書第1部作業部会報告書(2021年)第2章 2.2.3 Well-mixed Greenhouse Gases (WMGHGs) (p.298 – 304)を参照。

気象庁HP 大気中二酸化炭素濃度の経年変化「https://www.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html

これによると、

大気中の二酸化炭素の世界平均濃度は、産業革命による工業化以前の1750年約278ppmであったのが、

2022年には417.9ppmとなっており、およそ1.5倍となっていることが分かります。

したがって、大気中の二酸化炭素の世界平均の濃度は、2010年代後半には工業化以前のおよそ1.5倍に達しているが、800ppmは超えておらず、2022年では417.9ppmとなっているので、答えは となります。

以上より、本問の解答は (a) (b) (c) とする となります。

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書いてある場所:P120〜122(温室効果)


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書いてある場所:P450〜453(地球温暖化)


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書いてある場所:P384〜386(温室効果と地球の温暖化、二酸化炭素(CO2の増加))


書いてある場所:P34〜36(二酸化炭素の循環、二酸化炭素濃度の経年変化)、P98〜99(大気による温室効果のメカニズム)

備考

試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。

当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。

また、当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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