問12
下の図は、4月のある日に作成された、全球アンサンブル予報による週間予報支援図(アンサンブル平均図)の 120 時間後、144 時間後、168 時間後の予想図で、図 A ~ C は 500hPa 高度を、 図 ア ~ ウ は 850hPa 相当温位を示す。ただし、それぞれの予想対象時刻は順不同である。また、図Iは同じ日に作成された週間アンサンブル予想図で、120 時間後、144 時間後あるいは 168 時間後のいずれかの予想図である。図Ⅰと同じ予想対象時刻の 500hPa 高度と 850hPa 相当温位の予想図の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。


本問は、全球アンサンブル予報による週間予報支援図の 500hpa 高度場と 850hPa 相当温位の120時間、144時間、168時間の予想図のうちどれが、示された週間アンサンブル予想図(海面気圧と降水域)に対応するのかを問う問題です。
本問の解説
(問題)下の図は、4月のある日に作成された、全球アンサンブル予報による週間予報支援図(アンサンブル平均図)の 120 時間後、144 時間後、168 時間後の予想図で、図 A ~ C は 500hPa 高度を、 図 ア ~ ウ は 850hPa 相当温位を示す。ただし、それぞれの予想対象時刻は順不同である。また、図Iは同じ日に作成された週間アンサンブル予想図で、120 時間後、144 時間後あるいは 168 時間後のいずれかの予想図である。図Ⅰと同じ予想対象時刻の 500hPa 高度と 850hPa 相当温位の予想図の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から1つ選べ。


→ 答えは C、ア とする 4 です。
地上予想天気図(図 I )について

まずは、地上予想天気図(図 I )を詳しく見てみましょう。
図 I では、日本海西部に低気圧の中心があり、
前線に対応していると思われる気圧の谷が九州から南西諸島にかけてのびています。
また、降水域が朝鮮半島から日本海、日本列島から東シナ海にかけて広く予想されていることが分かります。
500hPa 予想図(図A〜C)について

では、500hPa 予想図(図A〜C)を時系列通りに並び替えてみましょう。
500hPa の予想図(図A〜C)を比較すると、地上低気圧に対応する5,700~5,760m 付近のトラフの位置が西から東へと進んでいることが分かります。
具体的には、図 B ではトラフが東経112度付近にあり、図 A では東経117度付近、図 C では東経124度付近へと移動しています。
したがって、時系列は B (120時間後) → A (144時間後) → C (168時間後) と整理することができます。
850hPa 予想図(図ア〜ウ)について

次は、850hPa 予想図(図ア〜ウ)を時系列通りに並び替えてみましょう。
850hPa 予想図を見ると、500hPa 予想図(図A〜C)で注目したトラフの進行方向前面で暖気移流域が東進していることが分かります。
具体的には、暖気移流が顕著な位置は、図 ウ では東経118度付近にあり、図 イ では東経124度付近、図 ア では東経133度付近へと移動しています。
したがって、時間の並びは ウ (120時間後) → イ (144時間後) → ア (168時間後) と整理することができます。
地上天気図と上空との対応について


最後に、地上低気圧の位置や降水分布を、500hPa や 850hPa の予想図と照らし合わせてみましょう。
500hPa 予想図では、トラフの位置が地上低気圧の位置に対応している図を探せばOKです。
つまり、日本海西部の地上低気圧に対応している(=最も近い)のは、トラフが朝鮮半島付近にある図 C であることが分かります。
850hPa 予想図では、相当温位集中帯の位置が地上低気圧の前線位置に対応している図を探せばOKです。
つまり、地上低気圧の寒冷前線に対応している(=最も近い)のは、相当温位集中帯が日本海から九州、南西諸島にかけてのび、西日本から東日本にかけて暖湿気の流れ込みが予想されている図 ア であることが分かります。
したがって、地上予想天気図(図 I )に対応しているのは図 C と図 ア ですので、答えは C、ア とする 4 となります。
書いてある場所:P297(アンサンブル予報)
書いてある場所:ー
書いてある場所:P322〜329(アンサンブル予報)
書いてある場所:P321〜323(アンサンブル予報)
書いてある場所:P161〜168(アンサンブル予報)
気象庁ホームページ「予測に伴う誤差とアンサンブル予報」
気象庁ホームページ「アンサンブル予報」
試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。
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