【第62回】2024年8月試験(学科一般試験)問14(気象業務法の罰則規定)

問14

気象業務法が規定する罰則が適用される事項について述べた次の文 (a) ~ (c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5から1つ選べ。

(a) ある地方公共団体が気象庁に届出をして観測を行っている雨量計を、正当な理由がないのに壊した。

(b) ある小学校が、登録検定機関による検定を受けていない温度計と風向風速計を校庭に設置して、毎日決まった時刻に生徒に観測を行わせ、その結果を授業で発表させた。

(c) スキー場を運営する事業者が、登録検定機関による検定を受けた温度計と風向・風速計をゲレンデに設置して、観測した値をホームページに掲示した際に、気象庁長官に届け出ていなかった。

   





解説

本問は、気象業務法の規定に違反した場合の罰則に関する問題です。

本問の解説

(問題)気象業務法が規定する罰則が適用される事項について述べた次の文 (a) ~ (c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5から1つ選べ。

(a) ある地方公共団体が気象庁に届出をして観測を行っている雨量計を、正当な理由がないのに壊した。

(b) ある小学校が、登録検定機関による検定を受けていない温度計と風向風速計を校庭に設置して、毎日決まった時刻に生徒に観測を行わせ、その結果を授業で発表させた。

(c) スキー場を運営する事業者が、登録検定機関による検定を受けた温度計と風向・風速計をゲレンデに設置して、観測した値をホームページに掲示した際に、気象庁長官に届け出ていなかった。

→ 答えは (a) (b) (c) とする です。

まずは、関係する気象業務法の規定を見てみましょう。

(気象庁以外の者の行う気象観測)

第六条 気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が気象の観測を行う場合には、国土交通省令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。但し、左に掲げる気象の観測を行う場合は、この限りでない。

  研究のために行う気象の観測

  教育のために行う気象の観測

  国土交通省令で定める気象の観測

 政府機関及び地方公共団体以外の者が次に掲げる気象の観測を行う場合には、前項の技術上の基準に従つてこれをしなければならない。ただし、国土交通省令で定める気象の観測を行う場合は、この限りでない。

  その成果を発表するための気象の観測

  その成果を災害の防止に利用するための気象の観測

 前二項の規定により気象の観測を技術上の基準に従つてしなければならない者がその施設を設置したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。これを廃止したときも同様とする。

 (略)

(観測に使用する気象測器)

第九条 第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測に用いる気象測器、第七条第一項の規定により船舶に備え付ける気象測器又は第十七条第一項の許可を受けた者が同項の予報業務のための観測に用いる気象測器であつて、正確な観測の実施及び観測の方法の統一を確保するために一定の構造(材料の性質を含む。)及び性能を有する必要があるものとして別表の上欄に掲げるものは、第三十二条の三及び第三十二条の四の規定により気象庁長官の登録を受けた者が行う検定に合格したものでなければ、使用してはならない。ただし、特殊の種類又は構造の気象測器で国土交通省令で定めるものは、この限りでない。

 (略)

(気象測器等の保全)

第三十七条 何人も、正当な理由がないのに、気象庁若しくは第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者が屋外に設置する気象測器又は気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。)、津波、高潮、波浪若しくは洪水についての警報の標識を壊し、移し、その他これらの気象測器又は標識の効用を害する行為をしてはならない

   第七章 罰則

第四十四条 第三十七条の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

気象業務法「https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000165

では、本問の選択肢と見比べてみましょう。

本問の解説:(a)について

(問題)ある地方公共団体が気象庁に届出をして観測を行っている雨量計を、正当な理由がないのに壊した場合、罰則が適用される。

→ 答えは です。

地方公共団体が気象の観測を行う場合には、研究のために行う場合等を除き、国土交通省令で定める技術上の基準に従って行わなければならず、その施設を設置したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を気象庁長官に届け出なければなりません。(気象業務法 第六条 第二項、第三項)

このような観測に用いられている気象測器を正当な理由なく壊すことは、禁じられており(気象業務法 第三十七条)、これに違反した者は、三年以下の懲役 または 百万円以下の罰金 に処され、又はこれを併科されます。(気象業務法 第四十四条)

したがって、ある地方公共団体が気象庁に届出をして観測を行っている雨量計を、正当な理由がないのに壊した場合、罰則が適用されますので、答えは となります。

本問の解説:(b)について

(問題)ある小学校が、登録検定機関による検定を受けていない温度計と風向風速計を校庭に設置して、毎日決まった時刻に生徒に観測を行わせ、その結果を授業で発表させた場合、罰則が適用される

→ 答えは です。

学校において行った観測の成果を校内限りで発表する行為は、国公立の学校であれば、「教育のために行う気象の観測」に該当することから、国土交通省令で定める技術上の基準に従ってしなければならない観測ではありません。(気象業務法 第六条 第一項 第二号)

また、私立の学校である場合も、成果の利用が観測を行わせた者の責任の範囲内にとどまり、「その成果を発表するための気象の観測」に該当しないことから、国土交通省令で定める技術上の基準に従ってしなければならない観測ではありません。(気象業務法 第六条 第二項 第一号)

すなわち、これに使用する気象測器には気象測器検定の受検義務は適用されず(気象業務法 第九条 第一項)、この義務の違反に係る罰則も適用されませんので、答えは となります。

本問の解説:(c)について

(問題)スキー場を運営する事業者が、登録検定機関による検定を受けた温度計と風向・風速計をゲレンデに設置して、観測した値をホームページに掲示した際に、気象庁長官に届け出ていなかった場合、罰則が適用される

→ 答えは です。

観測の成果を発表するために観測を行う場合は、技術上の基準に従って行わなければならず(気象業務法 第六条第一項、第二項)、それに関係する観測のための施設を設置したときは、その旨を気象庁長官に届け出なければなりません。(気象業務法 第六条 第三項)

このため、問題のスキー場内の観測施設は、成果を発表するための観測施設であり、届出の必要があるため、気象業務法に違反しています。

しかしながら、その違反に対する罰則が定められていない(気象業務法 第六条 第三項)ことから、仮に、同項の規定に違反したとしても罰則は適用されませんので、答えは となります。

以上より、本問の解答は、(a) (b) (c) とする となります。

備考

試験問題は「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て掲載しています。

当記事の解説は「一般財団法人 気象業務支援センター」様とは無関係ですので、情報の誤りや不適切な表現があった場合には、お問い合わせからご連絡ください。

また、当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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