問6
大気中の点Aにおける気温変化について述べた次の文章の空欄 (a) 、(b) に入る数値の組み合わせとして適切なものを、下記の1~5の中から1つ選べ。ただし、風速と水平方向の気温傾度はどこでも一様とし、sin30°= 0.50、cos30°= 0.87とする。
ある高度の水平面上で、図のように10℃と14℃の等温線が40kmの間隔で平行に並び、いずれも東西方向と30°の角度で交差している。また、この水平面上では風速5m/sの西風が吹いている。このとき、2本の等温線の中間にある点Aにおける東西方向の気温傾度は、1kmあたり (a) ℃である。また、点Aにおける移流による気温の時間変化率は、1時間あたり (b) ℃である。

本問は、大気中のある地点の、温度移流による気温変化を求める問題です。
本問の解説:(a) について
(問題)ある高度の水平面上で、図のように10℃と14℃の等温線が40kmの間隔で平行に並び、いずれも東西方向と30°の角度で交差している。また、この水平面上では風速5m/sの西風が吹いている。このとき、2本の等温線の中間にある点Aにおける東西方向の気温傾度は、1kmあたり (a) ℃である。(ただし、風速と水平方向の気温傾度はどこでも一様とし、sin30°= 0.50、cos30°= 0.87とする。)

→ 答えは 0.05 です。
まずは、10℃ と 14℃ の等温線の東西方向の距離を求めましょう。

上図のように、三角関数を用いると、10℃ と 14℃ の等温線の東西方向の距離は
40 [km] / sin30°= 80 [km]
となります。
この 80km の間で、気温が4℃ 変化しているので、1kmあたりの東西方向の気温傾度は
4 [℃] / 80 [km] = 0.05 [℃/km]
となりますので、答えは 0.05 となります。
本問の解説:(b) について
(問題)また、点Aにおける移流による気温の時間変化率は、1時間あたり (b) ℃である。

→ 答えは −0.9 です。
ある地点での「移流による」気温の時間変化率 ( 局所時間変化率 ) の評価式は
( ある地点の気温の時間変化率 ) = − ( 風速 ) × ( 風向方向の温度傾度 )
ΔT / Δt = − u × ΔT / Δx
と表すことができます。
(上式は、流体力学のラグランジュ微分 dT/dt = ∂T/∂t + u∂T/∂x において、空気塊の温度が保存される時の dT/dt = 0 より ∂T/∂t + u∂T/∂x = 0 ( つまり局所温度変化が移流だけで決まる ) となるため、局所時間微分 ∂T/∂t を求める式は、ΔT/Δt =− u × ΔT/Δx となります。また一般に、u は東西方向の風速を表し、西風 (東向きの風) を正とします。)
したがって、点Aにおける移流による1時間あたりの気温の時間変化率は、
ΔT / Δt =−5 × 3600 [m/h] × 0.05 / 1000 [℃/m]
= −0.9 [℃/h]
となりますので、答えは −0.9 となります。
(風速は5[m/s] 、東西方向の距離は 0.05 [km] なので、単位を [m] や [h] に揃えるのを忘れないようにしましょう。)
以上より、本問の解答は、(a) 0.05 (b) −0.9 とする 1 となります。
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